【カメラ初心者向け】初めての三脚選び
前回、三脚の必要性と用途についてお話しましたが、今回は実際に購入するときにたくさんの種類からどのようなものを選べば良いのか、またどのような種類があるのか詳しくお話していきます。いざカメラ店に行ったが、どれが自分の撮影スタイルにあったものなのか判断が難しいと思います。三脚について少しでも知ってもらうと失敗なく購入していただけると思います。
夜景写真はカメラのISO感度の数字を大きくすれば手持ちでも撮影は可能です。しかしISO感度を高く設定した場合、写真にノイズが出てきたり、微妙な手ブレもあったりパソコンの画面で大きく見たらブレた写真だった、なんてことになります。この写真は三脚にカメラを設置して、スローシャッターで撮影しています。三脚に設置すればこのようにシャッタースピードが遅くてもきれいにブレることなく撮影できます。
三脚 選び方のポイントは
①撮影する被写体
お花など低い位置で撮影する場合はローポジションに対応する三脚を選びます。
テーブルフォトや小物撮影はミニ三脚が使いやすいです。
②どこで撮影をするのか
持ち運ぶことを考えて旅行や長時間の歩行、登山での使用なら軽量でコンパクトなトラベル三脚が使いやすいです。持ち運ぶのに大きくて重たい三脚を持って行っては体力がなくなってしまい撮影枚数も減ってしまいます。また三脚には3段タイプと4段があります。脚を全て伸ばした時に何段のパイプで構成されているかということですが、この段数が多いほど縮長が短くなりコンパクト設計になります。携帯性は高くなりますが段数が高いほど安定性は落ちてしまいます。
③どのくらいの大きさのカメラ、レンズを載せるのか
三脚の上に載せるので最大搭載質量というものがあります。これは三脚が支えられる機材の重量の上限となります。製品のスペック表に最大耐荷重◯◯キロなどと記載されています。手持ちのカメラとレンズの重量を足して合計で何グラムになるのか調べておきましょう。
※ 例えば耐荷重3キロと記載されている場合
カメラ 600グラム + レンズ580グラム = 1.18キログラム
カメラとレンズで合計3キロ以下なのでこの三脚で問題なく使えることになります。安全に使用するためにも、耐荷重はなるべく余裕のあるものを選びましょう。
耐荷重と合わせて三脚の脚の太さを表すパイプ径にも注目してください。脚が太い方が頑丈で安定感が高くなります。
◉パイプ径20〜25mm(小型三脚)コンパクトカメラ、ミラーレス、 一眼レフ(エントリーモデル)+ダブルズームキットレンズ
◉パイプ径26〜33mm(中型三脚)一眼レフ(中級〜上級モデル)+望遠レンズ(70-200mm/F2.8 70-300mmなど)
◉パイプ径34〜42mm(大型三脚)一眼レフ(上級モデル〜中判カメラ)+大口径超望遠レンズ(300mm/F2.8〜800mm/F5.6まで)
上級モデル+望遠レンズをパイプ径の小さい小型三脚などに無理やり使うと、三脚の脚がしなったり、しっかりとカメラを固定することができずにブレてしまうことがあります。一眼レフを使っている人は基本的には中型三脚を選ぶようにしましょう。
④どのくらいの高さで撮影するか
持ち運ぶものなので小さくてなるべく軽いものを選んでしまうことがありますが、その場合全高が低くて撮りたい高さから撮影できないということになります。写真の構図を決める上でアングルは重要であり、ローアングル、ハイアングルによって撮れるものは変わってきます。一般的には自分の目の高さ(アイレベル)から撮影できるものが使いやすいです。私は飛行機撮影の時にアイレベルから撮影できる三脚を持っていきましたが、その高さだと写真の画面下に空港のフェンスが入り込んでしまいました。周りで撮影している人を見ると人の頭よりも高い三脚を使って、脚立に立って撮影している人が多く見られました。撮影位置を高くすることで不要なものをカットすることができます。
⑤三脚の材質
三脚は一般的にアルミもしくはカーボンでできているものが多く、軽量に作られています。
◉アルミ
冷たくなってしまう材質なので寒冷地でさわると手が張り付いてしまいます。ゴムやウレタングリップが巻きつけてあるモデルがおすすめです。価格はリーズナブルなものが多いです。
◉カーボン
冷たくなりにくい材質なので寒冷地での撮影におすすめです。振動減衰性もいいので一眼レフのミラーショックによるブレを減らすことができます。アルミよりも軽量に作れるのが特徴です。お値段もアルミより高額になります。
三脚の雲台とは?
雲台とは三脚の頭についているアクセサリーで、撮影するものによって雲台のセレクトは変わります。
◉3ウェイ雲台
一般的な撮影用途におすすめです。風景撮影などじっくりと構図を作るのに向いています。
◉自由雲台
手持ちに近い感覚で撮影できます。動き回る被写体やマクロ撮影時に便利です。
◉ビデオ雲台
動画撮影用に設計されています。操作性の良さから動画だけではなく、野鳥撮影などで使う超望遠レンズの600mm/F4.0や800mm/F5.6などの大きなレンズも振り回しやすく、操作しやすいため使用されることがあります。
いかがでしょうか?撮影する被写体やどこで撮影するか、材質や雲台など自身の撮影スタイルに合わせて最適な三脚を探し出してください。