TT Artisan 35mm F1.4 レビュー【作例あり】
本日ご紹介するのは、最近話題の中国のレンズメーカーである銘匠光学(めいしょうこうがく)のレンズシリーズ、TTArtisan(ティーティーアーティザン)35mm F1.4 です。各種マウントが発売されていますが、富士フィルムマウントを使ってみたのでご紹介したいと思います。まず大声で叫びたいのがこのレンズの価格です!なんと…
8,910円!!(2021年7月現在)
です!中古品ではなく新品のお値段ですよ!しかも税込です!カメラのレンズといえば通常は数万円しますが、なんと一万円出しておつりがきます。ちゃんと写るの?カメラに装着して大丈夫?など不安だらけになる価格ですが勇気を出して使ってみました。では詳しく解説していきます。
まずは銘匠光学というレンズメーカーは中国深圳の光学メーカーです。TTArtisanは銘匠光学から誕生した新しいレンズブランドのことを言います。2019年設立ということでまだ誕生したばかりのレンズメーカーです。他の中国レンズメーカーと同様、電子接点のないマニュアルフォーカスの単焦点レンズを安く作っているようです。購入する場合、日本では焦点工房が代理店となっています。カメラのキタムラやAmazonでも購入可能です。
TTArtisan 35mm F1.4 スペック
対応撮像画面サイズ:APS-Cサイズ
絞り:F1.4-F16
絞り羽根:10枚
レンズ構成:6群7枚
最短撮影距離:0.28m
フィルターサイズ:39mm
質量:約180g
長さ:約50mm
最大径:約56mm
フォーカス:マニュアルフォーカス(MF)
対応マウント:フジフィルムX、ソニーE、キヤノンEF-M、ニコンZ、マイクロフォーサーズ、ライカL(バヨネット)
色:ブラックとシルバー
TTArtisan 35mm F1.4 フジフィルムX用使ってみました!
まずは使うときの注意点から説明します。TTArtisan 35mm F1.4 のように「電子接点を持たないレンズ」というものはカメラボディの設定で「レンズなしレリーズ」の設定をオン、もしくは許可にする必要があります。電子接点を持たないレンズは現在のデジタルカメラのボディとレンズ間で情報のやりとりができません。そうすると電子接点のないレンズをカメラにつけてもレンズが付いていないとカメラが判断するためシャッターが切れません。レンズなしレリーズをオンにしておくことで、レンズが付いていなくてもシャッターが切れる、つまり電子接点のないレンズでもシャッターが切れるということです。オールドレンズを使うときにも必要な設定になりますので注意してください。
次にフォーカスはマニュアルフォーカスになりますので、これまでオートフォーカスでしか撮ったことがないという人はマニュアルフォーカスに不安を感じると思います。しかしミラーレスカメラには素晴らしい機能があります。
です。これはマニュアルフォーカスレンズには必須の設定です。これはピントの合っている部分の輪郭が色で表示されるのでどこにピントがあっているのかがわかりやすくなります。設定の仕方はカメラのオートフォーカスをマニュアルフォーカスに切り替え、ピーキングの設定でピーキングレベルを低〜高、ピーキングの色も赤や白など被写体に合わせて変更できます。マニュアルフォーカス初心者のかたはぜひ設定してみてください。では撮影した写真を見てみましょう。
まずは開放F1.4の背景のボケ感はいかがでしょうか?とても自然でなめらかな印象です。ピントはソフトクリームに合わせてみました。ピントリング、絞りリング共にとてもスムーズな動きで、しっかりと作られている感じがします。
こちらは背景に少しぐるぐるボケの感じがしますね。お花や葉っぱが背景に入ると少しザワザワする感じがします。人それぞれ好みにもよると思いますが、激安レンズなのでこの程度なら許容範囲かと思いました。絞り開放で撮るとピントは少し甘めです。
玉ボケもいい感じにでます。絞り込むと少し玉ボケがカクカクしてきます。
絞り開放はピントが少し甘めでしたが、F5.6辺りから絞りこむとシャープに写ります。
発色、コントラスト共に自然ですね。
面白い点が、このねじ込み式のレンズキャップですが、レンズに装着するとTT Artisanの文字がひっくりかえるという仕様です。大口径F1.4なのにコンパクトなボディ。APS-Cセンサーの小さいカメラと非常にバランスが良いですね。手頃な価格で大口径レンズを求めている人にオススメです。安価なレンズとは思えないほどの外装の仕上がりにはびっくりすると思います。この金属鏡筒の高級感はなんでしょう?ピントリング、絞りリングもなめらかな動きなので安心感があります。また、見た目も少しレトロなのでフジフィルムのカメラにしっくりくると思いました。安価すぎるけどしっかりと写るレンズです。お気軽に試していただけるレンズですので、ぜひ皆さんも手に入れてみてください。