ピントの合わせ方
せっかくのシャッターチャンスをピンボケで台無しにしてしまった事はありませんか?
帰ってからパソコンで大きく見たらピントが甘かったということありますよね。少しピンボケぐらいの方が良い感じの時もありますが、やはり良い写真というのは主題にピントがビシッと合っていてシャープなものが良いですね。写真の腕を上げるために、しっかりとピントを合わせましょう。
「ピントの合わせ方」をマスターして、写真のクオリティをもっともっと上げて行きましょう。
ピンボケとブレ
ピントが合っていない原因は主に
・被写体にピントが合っていない(ピンボケ)
・シャッターを押す手がブレている(手ブレ)
・被写体が動いているためブレている(被写体ブレ)
の3点が挙げられます。
後者の手ブレと被写体ブレに関してはカメラの構え方やシャッタースピードを速くすれば解決する問題です。
今回は主題となる被写体にピントが合ってないために起きる「ピンボケ」についてのお話です。カメラにファインダーがある場合は視度調整が自分の視力に合っているか確認しましょう。この視度調整ができていないと、ファインダー上で画像がボヤけて見えます。
ファインダーをのぞきながらシャッターを半押しして、ファインダーの部分に付いているダイヤルを回して調整します。画像が一番シャープに見える位置に合わせましょう。
レンズの最短撮影距離にも注目しましょう。
お花など小さいものに近づいて撮るとピントが合わない!ということがありませんか?レンズにはそれぞれ最短撮影距離というものがあります。例えば最短撮影距離が0.35mというレンズの場合はカメラのセンサー面(距離基準マーク)から被写体まで0.35m離れないとピントが合わないということです。
手持ちのレンズの最短撮影距離を頭に入れておき、ピントが合わない場合は少しづつ離れてみましょう。
オートフォーカスとマニュアルフォーカスの使い方
カメラにはオートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)の2種類があります。通常はオートフォーカスで大丈夫ですが、場合によってはマニュアルフォーカスに切り替える必要があります。
オートフォーカスには苦手な被写体があります。
・青空や白い壁、コントラストがない場合
・動物園の檻の中の動物など遠くのものと近くのものが画面内に混在する場合
・ビルの壁など連続する模様
・逆光の場合
・光が少なく暗すぎる場合
・被写体が極端に小さすぎる場合
オートフォーカスが苦手な被写体に対しては、マニュアルフォーカスに切り替えて手動でピントを合わせるのが有効です。特にマクロ撮影ではピント合わせがとても繊細になってくるので、マニュアルフォーカスでピント合わせをする方がしっかりと欲しい場所にピントを合わせることができます。ミラーレスならピーキング機能を使ったり、ライブビューでピント位置を拡大表示して合わせることができるので便利です。
オートフォーカスの種類
オートフォーカスは被写体や撮影シーンに合わせてフォーカスモードとフォーカスエリア(メーカーによって名称が異なります)の切り替えができます。
【フォーカスモード】
・AF-S(シングルAF)
ピントが合った状態でオートフォーカスが固定される方式。風景や建物など動かない被写体を撮るときに用いる
・AF-C(コンティニュアスAF)
シャッターを切る直前までオートフォーカスが追従する方式。子供や走り回る動物など動く被写体を撮るときに用いる
【フォーカスエリア】
・自動選択
カメラが自動でピント位置を決めて合わせてくれます。基本的には手前にあるものや、動くものにピントを合わせる傾向がありますので、自分が思う位置にはピントを合わせてくれません。
自動選択だと手前側のお花に自動で合わせてくれます
・任意選択撮影者が任意でフォーカスポイントの位置を変えることができます思い通りの所にピントを合わせることが可能です。ただしカメラの全自動モードやシーンモードを使うと任意選択ができないので、P、Av、Tv、Mモードで撮影する必要があります。ピントをしっかりと意図した所に合わせたい場合はこちらの任意選択で撮影してください。
任意選択だと手動で後ろ側のお花にピントを合わせることが可能
ピントを合わせる方法
・フォーカスロック使う
AF-S(シングルAF)の状態で被写体にピントを合わせ、シャッター半押しでピントを固定したまま構図を変える方法です。手軽で便利な方法ですがマクロ撮影などでは微妙にピント位置がずれるので注意が必要です。
そのままシャッター半押しの状態で構図を変えて撮る
・フォーカスポイントを指定する
精度の高いピント合わせをするならフォーカスポイントの位置を被写体の合わせたい所に設定してください。ポートレートやマクロ撮影などピントがシビアな場面ではこの方法をおすすめします。
・オートに頼らずマニュアルフォーカスで撮る
これは練習が必要ですが、マニュアルフォーカスに慣れてくると「ピントの山」つまり被写体のピントの頂点をすぐに掴めるようになります。右手でシャッター、左手でピントリングの動作だけになります。わざわざフォーカスロックをしたり、フォーカスポイントを設定することがなくなるので動作がシンプルになり、シャッターチャンスを逃しません。さらに精度の高いピント合わせができるようになります。「ピントの山」を掴めるようになるには、風景や動かないものの撮影から始めると良いと思います。
ピントの合わせ方のコツ まとめ
・カメラの視度調整を自分の視力に合わせる
・レンズの最短撮影距離を確認
・基本はオートフォーカスで撮影し、オートフォーカスが苦手な被写体の場合はマニュアルフォーカスで撮影する・フォーカスモードは静止しているものと動きもので使い分ける
・フォーカスエリアは自動選択ではなく任意選択で撮影する
ピントの合わせ方をマスターできれば、写真を撮影することがもっと楽しくなるかも?ぜひ、実践してみてくださいね。