TT Artisan35mmとXF35mmを撮り比べてみました
富士フイルムユーザーの人は知っているかもしれませんが、2022年はXマウント誕生から10周年になります。2012年の2月に発売されたあの名カメラ「X-Pro1」と同時に初代XFレンズ3本が発売されました。
XF18mmF2 R
XF35mmF1.4 R
XF60mmF2.4 R Macro
この頃、私はまだミラーレスではなくニコンのデジタル一眼レフ「D90」を使っていました。その後、世の中はミラーレスカメラが普及してきたのでソニーの「α NEX-3N」を購入してみましたが、どうもしっくりこない。小型軽量だしきれいに撮れるんだけど、写真に満足感が得られないというか、何か物足りなさを感じてしまい、だんだんと写真を撮らなくなってしまったんです。
その時に出会ったのがX-Pro1とXF35mmF1.4 Rのレンズでした。試しに使ってみたら?とお借りしたのですが、正直そんなに写欲がなかった頃なんで、近所を少し撮ってみてお返ししようと思ってました。
しかし、何気なく撮ってみた普通のスナップ写真がとても良い写り!適当に撮っただけなのになぜか良い感じに写っているんです。自然な美しいボケと立体感のある描写。さらに操作性の楽しさ。カメラとレンズでこんなにも写真が変わるのかと実感した瞬間でした。
それからXユーザーとなり、現在はX-T2にXF35mm F1.4 Rを常用レンズとして使っています。現在40種ほどのXFレンズが発売されていますが、10年前に発売されたXマウント初代のレンズが一番使用頻度が高いレンズとなっています。このXF35mm F1.4 Rは世間では「神レンズ」と呼ばれ、やはり頂点に君臨するに相応しいレンズなんです。
そして今回、これはやっちゃいけない!と思いつつ禁断の…
銘匠光学 TT Artisan 35mm F1.4C
富士フイルム XF35mm F1.4 R
という二つのレンズを撮り比べてみて、画質の違いをチェックしてみました。
銘匠光学 TT Artisan 35mm F1.4Cってどんなレンズ?という人はまず前回のブログをご覧ください。
TT Artisan35mmとXF35mm スペックの違い
さて、禁断の35mm対決ですが、まずは両者のスペックの違いを見てみましょう。
まず大きな違いは何と言っても価格差です!銘匠光学の方はゼロが一つ足らないのでは?と思ってしまうほど、誰もが二度見する価格です。どうしてこんな価格でレンズを作ってしまったのでしょうか?この価格でも安っぽい作りではなく、金属鏡筒で高級感のある作りになっています。ピントリングの滑らかなことと、絞りリングはクリック感がありとてもスムーズな動きをします。
スペックの大きな違いはフォーカスにあります。銘匠光学の方はマニュアルフォーカスになりますのでピント合わせは手動になります。あとは見た目の大きさの違いですね。銘匠光学のほうは小さい鏡筒に口径も小さくコンパクトな作りになっています。
TT Artisan35mmとXF35mm 画質比較
では実際に撮り比べてみました!まずは開放F1.4で撮影、ボケ対決からです。どれくらい写りに違いが出るのでしょうか?カメラを固定し、二つのレンズを付け替えて一枚づつ撮影してみました。
TT Artisan 35mm F1.4C
XF35mm F1.4 R
え?ほとんど一緒?!どちらもきれいなボケ感です!富士フイルム信者としては信じがたい事実です!!どっちが富士フイルムでどっちが銘匠光学かわからないくらいですね。もはやこの撮り比べ嫌になってきました。次の2枚はどうでしょうか?
TT Artisan 35mm F1.4C
XF35mm F1.4 R
これも大して画質に違いはありません。なんということでしょう。恐るべし銘匠光学!
TT Artisan 35mm F1.4C
XF35mm F1.4 R
次の2枚はどうでしょうか?これは少し変化がありました。上の銘匠光学のほうはほんの少し背景がぐるっとしています。撮影距離によって背景がぐるぐるボケとなるようですね。まぁでも許容範囲ですね。
TT Artisan 35mm F1.4C
XF35mm F1.4 R
次は逆光で少し絞り込んでお花を撮影してみました。ここではっきりと違いが出てきましたね。銘匠光学はフレアーが少し出ています。逆光耐性は弱いということです。
【感想まとめ】
撮り比べてみた結果、逆光時以外は大きな画質の違いは見れませんでした。
◉ TT Artisan 35mm F1.4C
価格が安いので初めての単焦点や、マニュアルフォーカスレンズに挑戦してみたい人、またはオールドレンズっぽい写りのぐるぐるボケやフレアーを楽しみたい人はこちらのレンズを選ぶといいですね。
◉ XF35mm F1.4 R
どんな状況でも確かな画質を求める人。動きの速い被写体にも対応したい人はこちらです。
開放でのボケ描写にはびっくりするほど富士フイルムとの違いがなく、銘匠光学の製品の良さにびっくりしました。しかし個人的な感想としてはやはりXFレンズの描写が落ち着きます。フジノンレンズの画質の美しさは写真の満足度を高めてくれますね。XF35mm F1.4 Rは「神レンズ」。これが頂点なのは間違いないです。