謎の黒い影の正体は?ケラレの原因と対処法

「ケラレ」という言葉を聞いたことがありますか?写真やカメラ用語にはよくわからない言葉がたくさんありますが、「ケラレ」もその一つ。写真を撮っているときには気づかなかったけど、後から写真を見たら四隅に黒い影が写り込んでいた。なんてことはありませんか?カメラの故障かと思う人もいると思いますが、実はカメラの故障ではなく「ケラレ」という現象です。

 

「この写真よく撮れたけど、ケラレてるから修正がいりますね」

 

という感じで「ケラレる」という使い方をします。今回はこの「ケラレ」について原因と対策をお話します。

 

ケラレとは?

ケラレとは画像の端っこにレンズフードやフィルター枠など、影が黒く写り込んでしまうことを言います。

ケラレ

 

「ケラレ」の語源は「蹴られる」の日本語からではなくラテン語の「celare」隠す、隠れるという意味からきているそうです。カメラや写真用語はラテン語からきているものが多いですね。

 

ケラレの原因は?

 

原因1:レンズフードがきっちりと装着されていなくて曲がっている可能性

 

原因2:レンズ専用のフードを使っていない

 

原因3:フィルター枠の厚みがある

 

原因4:フィルターを2枚、3枚と重ね付けしている場合

 

原因5:カメラ内蔵フラッシュを使うときにレンズフードが邪魔をして影になる

 

原因6:フルサイズのカメラにAPS-C専用レンズを取り付けた場合

 

ケラレの対処法

 

【レンズフードが原因の場合】

 

まずはレンズフードがきっちりと装着されているか確認をしましょう。きっちりと装着されていなければ角度がズレてしまうので写真に写り込んでしまいます。とくに花形フードはその形状から、取り付けの際にズレていると影になって写り込んでしまいます。その場合は正しく付け直すことで改善されます。

 

レンズに取り付けるフードは必ずレンズ純正のものを使用してください。レンズフードはそのレンズに合わせた最適な設計がされています。他社製ではケラレてしまうことがあります。とくに広角レンズでは画角の広さからケラレが発生しやすくなります。

 

【フィルター枠が原因の場合】

 

広角レンズを使用する際に注意が必要です。取り付けているレンズフィルターの枠が厚すぎると画角の広い広角レンズではフィルター枠が写り込んでしまいます。広角レンズに取り付けるフィルターは薄枠タイプのものを選ぶようにしましょう。

 

フィルターの重ね付けにも注意です。保護フィルターの上からNDフィルターやPLフィルターを取り付けてしまうとフィルター枠の厚みがでてしまうのでケラレの原因になります。面倒でも保護フィルターを外してからNDやPLフィルターを取り付けましょう。

 

望遠レンズの場合は画角が狭いので枠の厚みがあってもケラレないので多少の厚みは大丈夫かと思います。

 

【内蔵ストロボが原因の場合】

 

この場合は画面の下に黒い影が出ることが多いです。内蔵ストロボの光をレンズフードが遮ってしまうことで起きます。これはレンズフードを外してしまえば解決します。もしくは内蔵ストロボではなく外付けストロボを使用するのも有効です。

 

【フルサイズのカメラにAPS-Cのレンズを取り付けた場合】

 

この場合のケラレは大きく影として出るので撮影の段階でわかります。これはイメージサークルの大きさの違いからケラレが起きてしまいます。対策としてはフルサイズ用のレンズに変えましょう。ニコンのフルサイズカメラなら自動でクロップしてくれる機能があります。

 

何れの原因であってもケラレてしまった画像はトリミングで影を消すか、Photoshopなどで画像修正をするしかありません。せっかく作りこんだ構図も台無しになってしまうので撮影の段階で気づくように心がけましょう。

 

 

ケラレと周辺減光の違い

 

ケラレとよく似ている現象に「周辺減光」というものがあります。周辺減光は写真の四隅になるほど暗くなる現象です。

ケラレ

 

ケラレは遮蔽物の影響によるものなので、写真の四隅に黒い影が写り込みますが、周辺減光は四隅になるほどグラデーションのように暗くなっています。周辺減光は「周辺光量落ち」とか「周辺光量低下」とも呼ばれているので言葉の意味通りでわかりやすいと思います。ケラレと違い周辺減光の原因はカメラの構造上によるところと、レンズの性質によって起きる現象です。高品質のレンズほど周辺減光は抑えられています。



周辺減光の対処法

 

【レンズ光学補正をONにする】

 

カメラによりますが、設定に「レンズ光学補正」という機能があればONに設定することで周辺減光を補正してくれます。この機能は画質劣化を起こす各収差や画像の歪みなどを補正する機能なのでONにすることで画質向上になります。

 

【絞り込んで撮影をする】

 

レンズによっては絞り開放で撮影をすると周辺減光が起こりやすくなります。その場合、絞り値をF8〜F11などに絞りこむと周辺減光を抑えることができます。

 

【写真加工ソフトで修正する】

 

撮影の段階で補正できなかった場合は、撮影データをPhotoshopやLightroomで補正することができます。フリーソフトでも周辺減光を補正する機能がついている場合もありますので試してみてください。


ケラレ

 

写真の四隅が暗い場合、ケラレと周辺減光の違いを理解し、効果的な対処法を実践することで、美しい写真を撮影することができます。ぜひ、今回紹介した方法を参考に、自分なりの工夫を加えて、素晴らしい写真を撮影してみてください。

 

 

 

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